アガベについて
アガベについて
アガベ/Agaveとは、メキシコを中心にアメリカ大陸全体に分布している多肉植物です。
アロエやサボテンと混同されがちですが、学術的にも明確に分かれています。
形状は、葉の先端に長めのトゲ、周りには鋸歯(きょし)と呼ばれる短めのトゲが付き、ロゼット状(放射状)に広がります。
世界中に300種以上が存在していますが、個体変異も大きく、変種も多いため、明確な系統の分類は難しいといわれています。また、サイズも、直径5~10cm程度の小型種から、4~5mにもなる大型種など様々です。
花が咲くのは100年に一度だけといわれていることから「センチュリープラント」とも呼ばれていますが、実際は数十年程度とされています。一生の間に咲くのはたった一度だけで、花が開花したあとに株は枯れてしまいます。
メキシコではマゲイ(西: maguey)とも呼ばれ、アガベシロップや、テキーラの原料として使われていることで有名ですが、日本では観葉目的として流通しており、個性的な姿から近年特に人気を博しています。希少な品種も存在し、需給の関係で高額で取引される株もあります。
また、風水では邪気を払う効果があるとされ、上向きに伸びる葉には「陽」の気を発するため、置かれた場所を浄化してくれるといわれています。
アガベの花言葉は「気高い貴婦人」や「繊細」など。
楽しみかた
鉢植えで鑑賞するのはもちろん、庭に植えたときの迫力満点な姿がたまりません。
特にアガベの植栽といえば、ドライガーデンと言われるガーデニングスタイルが人気です。
ドライガーデンとは、アガベやユッカ、サボテン、ヤシなど乾燥地帯の植物だけを使用してつくられた庭のことで、水をほとんど必要としないローメンテナンスが特徴のガーデンです。海外ではアリゾナガーデンやデザートガーデンなどとも呼ばれますが、日本ではドライガーデンやロックガーデンの名称で定着しつつあります。
難しそうに感じてしまいがちですが、一度作ってしまえば、むしろ他の、イングリッシュガーデンやローズガーデン等といったガーデニングスタイルよりメンテナンスが簡単で、ハードルは低いといえます。また、砂利や石を積むことで雑草も生えにくくなります。
ドライガーデンなら、手間のかからないオシャレな庭を実現できます。
育て方
水やり
春~夏:鉢植えの場合は、土がカラカラに乾いてからたっぷりとやります。地植えであれば、根が定着してしまえばほとんど水やりを必要としません。ただしあまりにも暑い日が続く場合や、小苗の場合は体力がありませんので、鉢植えと同じくカラカラに土が乾いてから、頃合いを見て散水します。
冬:気温が下がるにつれて、段々と生育が穏やかになっていきますので、水やりの頻度を減らしていきます。土がカラカラに乾いてから、土の3分の1程度が濡れるように水やりをします。水をやりすぎると根腐れを起こしてしまいますので、あげすぎるくらいならあげないほうがよいです。
置き場所
4~6時間程度、直射日光の当たる場所で管理します。真夏に関しては、あまりにも暑すぎると葉焼けを起こすため、遮光ネットを張るなどして遮光すると、きれいな株を保つことができます。人間が辛い環境では植物も辛いので、養生はそれが目安となります。ほとんどの場合は、葉焼けを起こしても枯れるほどまでにはいかないので、葉焼けが気にならないようならそのままの管理でも問題ありません。
真冬の場合は、ビニールや寒冷紗を張るなどして、北風の直風を防いだり、霜を避けたりすると傷みにくくなります。耐寒性のあるアガベは、過酷な環境下でも耐え、枯れるまでにはいかないので、葉が痛んでも気にならないようであればそのままでも問題ありません。枯れてしまわなければ、春先になると新たな葉が動き出し、夏前にはきれいな株の状態に戻ります。
※アガベ図鑑に記載のある耐寒性はあくまでも目安であり、個体差や環境の変化によって大きく左右されます。特に、霜や北風の対策、水はけ重視の用土と盛り土にすることで、耐寒性はより強くなります。
鉢植えの場合は、真夏、真冬のいずれも、厳しい環境下のときは屋内に入れると安心です。その際、日光不足による徒長が懸念事項になってきますので、できるだけ日当たりのよい窓際などに置くようにします。
各アガベの育て方については次のページをご参考ください。
アガベ図鑑:https://togemaru.jp/agave/type
アガベに関する用語については次のページをご参考ください。
アガベの用語集:https://togemaru.jp/glossary