アガベマイト

アガベマイトについて

アガベマイトとは、アガベにつくダニの一種の通称であり、正式には「Eriophyoidea」と言われ、フシダニ上科(フシダニ類)に属しています。体長は0.12mmから0.5mmほどで、肉眼では見えないほど小さいダニです。実体顕微鏡がなければ目視するのは非常に困難です。

以下の動画は、とげまるが実体顕微鏡を用いてアガベマイトの様子を撮影したものです。

アガベの生長点付近に発生し、葉を吸汁することで、葉が茶色くただれたり、変形したり、油が染みたような跡が出たりします。ただし、生長点までは到達せず、奥の奥まで、本当の中心部までは侵入しません。また肉質の堅い外側の大きな葉にもほとんどつくことはありません。
そのため、駆除するには非常に厄介で、一度つくとアガベの内部までは薬剤が届かず、いつまでも吸汁が続き、吸われてから数か月が経って新しく展開した葉に茶色くただれた跡などが出てきます。つまり症状が出てから何らかの防除策をとっても、すでに被害は広がっており、手遅れのケースがほとんどです。(一度吸汁された葉が元に戻ることはないため。)
きれいな株にしたい場合は、被害が出た葉を取り除き、仕立て直すしか方法はありません。

また、海外の報告では、圃場内で風に乗って他のアガベに移っていくとの情報もあり、一度どこかで発生してしまうと、周りの株にも移ってしまう可能性があります。

アガベ界隈では、アグリメックや花いとしといった薬剤が有効であると情報が出ていますが、正式にこれらの薬剤がアガベマイトに対しての有効性が登録がされているわけではなく、不確かな状況であることは変わりなく続いています。駆除・防除方法については、とげまるでも実験を重ね、今後も浸食された株が手に入り次第、実体顕微鏡を用いて実験をしていく予定ですので、最新情報をお待ちいただければと思います。